小型無人飛行機を用いた要救助者の存在確認システムの設計と実装

泉川大樹(1351008)


自然災害が発生した場合には,迅速な捜索・救助活動が必要になる.しかし,道路や橋梁が損壊するため要救助者の存在の有無を確認することは困難である.そのため,小型無人飛行機が撮影する映像情報を用いて上空から要救助者の存在の有無を確認する方法が提案されている.また,近年 IEEE 802.11 規格の無線 LAN を搭載したスマートフォンやタブレット等が急速に普及にしてきた.無線 LAN 端末は周辺のアクセスポイントを探索するために定期的にプローブ要求と呼ばれるフレームをブロードキャストしている.プローブ要求には MAC アドレスが含まれており,個体の識別をすることができる.また,これらの端末は常時携帯されていると考えられ,プローブ要求が送出されている場所には人が存在していると推測できる.本研究では,災害発生時において迅速に要救助者の存在の有無を確認するために,小型無人飛行機を用いて要救助者の存在を確認するシステムを提案,評価する.本システムは地上の映像と合わせて,小型無人飛行機の航跡上で要救助者の所持する無線 LAN 端末が送出するプローブ要求を取得し,取得地点を地図上に提示することができる.システムの評価実験では,探索対象の無線 LAN 端末から発せられるプローブ要求を自律飛行する無人飛行機にて受信できた.また航跡上においてプローブ要求を受信できた地点,すなわち探索対象者が存在する可能性が高い地点を地図上に表示できた.