筋隆起に基づく前腕の動作認識を利用したヒューマンインタフェース

馬場 浩平 (1251084)


人間の活動領域を広げるため,意図した動作を伝達し,ロボッハンドを操作するヒューマンインタフェースが考案されてきた.近年では,より直感的な操作方法として,筋電位を用いたインタフェースが提案されている.しかしながら,筋電位は,衣服の上からの計測が不可能であり,発汗や筋疲労により計測困難に なるなど計測環境が制限される. 本論文では,フォトリフレクタと呼ばれる近接距離センサを用いて,前腕の隆 起変化を計測し,手の動作認識を行う手法とこれを利用したヒューマンインタフェースを提案する.本インタフェースはフォトリフレクタをアレイ上に配置し たリング型デバイスを用いることで,衣服の上からも計測可能となり,筋電位よりも計測環境に制限がない.提案手法を用いて11名の被験者による7種の手動 作の認識実験を行った.その結果,被験者平均で 90.4[%] の認識率を得られるこ とを示した.また,提案インタフェースを用いて,シミュレータ上のロボットハンドによるオブジェクトの把持・移動実験を行った.課題遂行時間などで評価した結果,本インタフェースの有効性を確認した.