NAIST-IS-MT1151079: Nishide Tadashi

歩行者と車両間の通信を利用した 歩行者位置推定に向けた調査

西出 忠司 (1151079)


近年、携帯端末の技術の発展により、端末の位置推定を継続的に要求するアプ リケーションが多く見られるようになってきた。これらの要求に応える位置取得 手段としてはいくつかあるが、中でもGPS が最も高精度な位置を提供する手段 である。しかしながら、GPS は電力消費も比較的高く、継続的に利用することは 現在の携帯端末の電池容量では現実的ではない。そこで、GPS 以外の位置取得手 段と適宜切り替えることで継続的かつ省電力な位置推定を実現する研究が様々な されている。

一方で、歩行者端末と車両を無線リンクでつなぎ、安全性や利便性を向上させ ようという研究がある。さらに、豊富な車載センサや将来の自動走行車のニーズ を考慮すると、車両は、歩行者端末に比べ、より高精度な位置情報を保持してい ることが期待できる。そこで、近隣車両の位置情報を元に歩行者端末の位置を推 定しようという案が考えられる。

本課題研究では、将来、不特定多数の歩行者端末と車両が無線でネットワーク を形成すること想定し、これらネットワークを用いた、省電力かつ高精度な、新 たな歩行者端末の位置推定手段を提供することの実現性や有用性を調査した。