ハンドヘルド拡張現実感システムにおけるカメラ映像ログ利用型三次元位置指定インタフェース

坂東 直人 (1251202)


拡張現実感によって提示される情報をタブレット端末などのハンドヘルドデバイスやを利用して情報が配置される空間内で配置者が直接コンテンツの配置を行う研究が盛んに行われている. こうした技術を作業支援などの用途に拡張現実感を用いる場合には, 作業をする者に対して誤解を与えないために, 提示される情報が適切な三次元位置に配置される事が必要とされる.しかしながら, コンテンツの配置を行う従来の手法では物体の表面のみへの配置など必ずしも特定の三次元位置を指定できないものや, 特定の三次元位置の指定のためにコンテンツの配置毎に動き直しが要求されるものであった. そこで, 本研究では配置を意図するまでのユーザのカメラ映像ログを利用する事で, 特定の三次元位置の指定や確認を容易に実現できると考えた. ユーザのカメラ映像ログには, 三次元位置の指定に利用できる目標指定位置の映る画像が含まれている可能性があるが, 目標指定位置がどこであるかを知っているのはユーザのみであるため, 保存されたカメラ映像内から目標指定位置の写る画像をユーザ自身で選択する事が必要不可欠となる. そこで本研究ではこの目標指定位置の写った画像を選択するための, カメラ映像ログを利用した三次元位置指定インタフェースを提案し,それに伴い実施した実験とその結果を述べる.