依存構造解析器への並列構造解析の組み込み

吉本 暁文 (1251118)


構文解析器で捉えることが難しい言語現象の一つに並列構造がある.並列構造には,一般的な依存構造や構成素構造の解析における統計的な特徴からは捉えられない特有の傾向があるため,これを従来の解析と分けて捉えられる仕組みを用意しなければならない.これまでに,並列構造のみを扱うアルゴリズムと,それを一般的な構文解析器と組み合わせる方法が提案されてきた.しかし,構文解析の過程で並列構造を考慮させる手法には至っていない.本論文では,依存構造解析において構文解析中に並列構造を考慮させることで,解析精度が向上することを示した.