Hodgkin-Huxley型神経細胞ネットワークにおけるてんかん様同期活動の温度依存性
山村 頼子 (1251114)
てんかん焦点の冷却によりてんかん発作が抑制可能であることは,以前より実験的に知られていた.しかし,その分子的機序には不明な点が多く残されている.本研究では,イオンチャネルの温度依存性がてんかん発作の抑制を説明しうるかどうかを検討するため,Hodgkin-Huxley型神経細胞ネットワークを用いたシミュレーションを行った.その結果,冷却による膜イオンチャネル開閉率の変化のみでも同期振動が停止しうることを示した.また,同期発火への冷却の影響が,少なくとも抑制性ネットワークにおいてはネットワークの結合度に依存することを見出した.