ITSにおける無線通信のための動的チャネル選択による協調的輻輳制御

森 健太 (1251107)


近年最先端の情報技術を用いて人と道路と車両をネットワーク化し,交通システムの安全性,効率性,快適性,環境性等の問題解決 に大きく貢献する Intelligent Transport Systems (ITS) と呼ばれるシステムの研究開発が盛んに行われている. 特に車車間通信や路車間通信のための無線通信規格として IEEE 802.11p が標準化されるなど,欧州や米国,日本で協調的 ITS のための通信規格の標準化が進められている. しかしこれらのコンテンションベースの無線通信方式では,その性質から交通量の多い道路など車両密度の高い環境でのチャネル混 雑による輻輳が問題になる. そのためいくつかの輻輳制御手法が提案されているが,標準化が進められている無線通信規格との協調が十分考慮されていないこと や,想定される実環境における評価が十分ではないなどの問題があった.

そこで本研究では,異なるチャネルで通信する複数のネットワークインターフェースを使った,輻輳制御手法を提案する. 実装は CarGeo6 をベースに行い,その輻輳抑制効果を評価するための実機実験を行った. その結果,提案手法は各チャネルの負荷によって送信インターフェースを切り替えることで,輻輳を抑制することが可能であることが確認できた.

また,本研究では各メッセージの優先度による QoS 制御手法についての提案も行う. 実機を使った評価実験の結果,提案した QoS 制御手法によって優先制御を行い,緊急度の高いセーフティメッセージをより確実に配送可能であることが確認できた.