本稿では学習サンプルを適切に選択し,推定正答率を大きく落とすことのない学習の高速化を提案する.本稿の提案法は,学習サンプルの種類と量に着目する点,様々なモデル学習に適用可能な点,などにおいて従来の手法と異なる. 本稿では,種類と量の問題を含む好例として人体姿勢推定を研究対象とする.
本稿では,サンプルの選択法を2つ提案する. 一つはクラスタリングによる選択で,特徴空間内でのクラスタリングにより,重複的な学習を避ける方法である. もう一つは識別境界からの距離による選択で,識別境界の学習方法に着目した手法である.
これらの手法について実験を行い,実験の結果,統計的なパラメータに基づいた人体姿勢推定の正答率を大きくさげることなく学習時間を65%削減可能であることを示す.