メッセージ保証機構を備えた分散Publish/Subscribeの提案と評価

松浦 正尚 (1251095)


センサネットワークにおけるリアルタイムなストリームデータ処理基盤として分散Publish/Subscribeシステムが利用されている.Publish/Subscribeモデルはデータの生成者であるPublisherとデータの消費者であるSubscriberが疎結合な関係にある非同期メッセージングモデルであり,push型のリアルタイムなストリームデータ配信・処理に適している.しかし,Publish/SubscribeシステムではPublisherとSubscriberが疎結合な関係にあるため,Subscriberは自身が要求しているデータを全て受信できているかどうか,受信したデータが正しく処理されたものかどうかを確認できない.したがって,従来のPublish/Subscribeシステムでは,データ配送過程におけるメッセージの到達性と,処理ノードにおける計算処理の信頼性が不保証である.

本研究では分散Publish/Subscribeシステムのメッセージ配送過程における到達性・処理ノードにおける計算処理の信頼性を保証するために,地理情報に基づいた処理ノードのグループ構築手法と,構築したグループ内のメッセージを監視・保証するための特殊な処理ノードの選出手法,及びメッセージの監視・保証手法について提案した.また,提案手法を実装したプロトタイプを作成し,提案手法を利用することによるメッセージ配送過程における到達性と計算処理の信頼性が保証できることと,システムへの負荷について評価した.本発表では,提案したメッセージ保証のための機構とアルゴリズムについての説明を行い,評価実験の結果を示し,本研究についてまとめる.