データマイニングによるバーンインフェール予測

西井雅俊 (1251080)


半導体製品はその製造過程で様々なテストを受ける. 各テストでは製品の物理的特性や論理動作等がテスト装置で観測され, その観測結果がデータとして保存されている.

製品が受けるテストの1つにバーンイン(BI:Burn-In)テストがある. BI テストとは,半導体製品に温度や電圧といったストレスを与える事に よって初期不良取り除く方法である. このBIテストはスクリーニングテストの中でも初期不良検出に最も有効なテストの一つであり, 多くの企業で用いられている. しかしBI工程に要するコスト面や, またBI工程自体が製品の劣化を導く等の問題を抱えている.

現在,様々な分野でデータマイニングが注目されている. データマイニングとは膨大なデータから価値のある知識や情報を取り出す技術の事である.

本発表では,BI 前工程のテスト結果にデータマイニング手法を用いる事で BI工程でフェールする疑いのある製品を予測する手法を提案する. 数百項目あるテスト項目からサポートベクターマシンによって BIフェールと関係の大きなものを抽出し, ワンクラスサポートベクターマシンによってBIフェールをデータ集合の 外れ値として判別する. 実験では外れ値を65% 程度とする事で全てのBIフェールを正しく判別する事ができた.