点群へのプリミティブ当てはめによる正対画像生成に基づく三次元形状とテクスチャの欠損修復

中尾 聡志 (1251073)


近年, 仮想空間上に現実物体を三次元モデルとして再現し, 拡張現実感(Augmented Reality: AR)や仮想現実感(Virtual Reality: VR)の技術を活用して, これらのモデルを閲覧するアプリケーションが開発されている. このようなアプリケーションにおいて用いられる現実物体の三次元モデルを簡便に生成する手法として, カメラやKinectなどの安価な距離画像センサを用いて現実物体の色や形状を計測し, それらを統合することでモデルを生成する手法がある. しかし, 遮蔽や計測位置の制限により生じる未計測部分や計測誤差に起因して, 生成したモデルに欠損が生じる. この問題に対して, 本発表では, 平面および三種類の回転体(円筒, 円錐, 球)で表現される三次元プリミティブ形状を計測された点群に当てはめ, プリミティブと点群の距離に基づくデプスマップとテクスチャを生成することで, 欠損領域の形状とテクスチャを同時に修復する手法を提案する. 実験では, 遮蔽による未計測部分や計測誤差により生じた様々な現実物体の三次元モデルの形状とテクスチャの欠損を同時に修復することで提案手法の有効性を示した.