光ファイバ無線分散アンテナシステムにおけるMIMO-OFDM信号の高品質多重化方式
木谷 竜也 (1251034)
無線通信のカバレッジと性能を向上させる次世代ネットワークの技術として光ファイバ無線分散アンテナシステム(RoF-DAS:Radio over Fiber-Distributed Antenna System)がある.現在,光ファイバを用いて,MIMO-OFDM(Multiple Input Multiplt Output-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を伝送する技術が研究されている.特に,光TDM(OTDM:Optical Time Division Multiplexing)を用いたRoF-DAS over WDM-PON(Wavelength Division Multiplexing-Passive Optical Network)が検討されている.このシステムでは,1本の光ファイバでMIMOシステムの空間ストリーム信号を時間領域に多重化するためのスイッチ(SW),無線信号を光信号に変換する光変調器と光信号を無線信号に変換するPD(Photo Diode)が使われている.光TDMによって多重化された信号を逆多重化するためにスイッチ切り替えの時間同期が求められるが,同期が不完全な場合,隣り合うTDM信号が混ざり合うため信号の劣化を招く.また,無線信号を光信号に変換する光変調器は入出力特性に非線形性を有しており,OFDMのようなマルチキャリア信号が入力されると相互変調歪(IMD:Intermodulation Distortion)が発生し,信号の劣化が起きる.本発表では,同期のずれによる信号劣化を補正する再生中継方式の検討を行う.さらに,変調器の非線形性を考慮した計算機シミュレーションを行い,軽減効果があるのかを評価する.提案する再生中継方式のBER特性を示す.