NAIST-IS-MT1251028: Gaku Kazuya 頭部SPECT用フルデジタル高解像度検出器における画像処理ソフトウェアの開発と性能評価
賀久 和弥 (1251028)
放射性薬剤を用いる核医学診断装置のSPECTは,血流や代謝,神経活動といった3次元機能画像を取得することができる.PETに比べて安価であるため広く普及しているが,空間分解能が10 mm程度と低く,高分解能化が期待されている.我々のグループではPETに匹敵する5 mm以下の解像度を有する実用的な頭部用高解像度SPECT装置の実現を目指している.そのためには,高解像度検出器が必要であり,我々はNaIシンチレータにマルチアノード位置検出型光電子増倍管15個を結合した頭部用検出器を開発し,これとフルデジタル回路を組み合わせることで,従来の検出器の解像度4 mm程度に対して,2 mm以下の高解像度検出器を解発している.本研究では,フルデジタル検出器からのデジタル信号を用いてγ線検出位置を推定するソフトウェアの開発を行った.併せて,検出器感度不均一性の補正も行い,変動係数および積分均一性より補正の効果が確認できた.また,検出器の固有分解能を評価した.さらに,ファントム実験によって高解像度SPECT撮像の可能性を評価した.評価実験の結果,目標の2 mm以下の1.5 mm程度の検出器固有分解能が得られた.また,SPECT画像としてもPETに匹敵する3.5 mm程度の解像度の画像が得られた.