本研究ではアプリケーションの使い勝手を犠牲にすること無く,WiFiオフローディングの機会を増やす 手法を提案する. 提案手法では,WiFiを利用可能な間に,ユーザが今後3G/4G回線経由で要求する可能性がある コンテンツを予測しプリフェッチする. この手法を利用することで,3G/4G回線のみが利用な環境において,ユーザがプリフェッチ済みのコンテンツを要求した場合, そのコンテンツを改めて3G/4G回線で取得する必要がなく,瞬時にコンテンツをユーザに提供可能である. つまり,3G/4G回線の負荷軽減と同時にアプリケーションの応答性を向上可能である. しかし,プリフェッチに基づくWiFiオフローディング主方法では,ユーザが要求しないコンテンツをプリフェッチすることにより, WiFiオフローディングを行わない場合よりもバッテリを余分に消費する可能性がある. よって,本手法では,WiFiオフローディングに利用可能な電力量に制約を設け,その電力量のなかで オフロードするデータ容量を増やすかという課題を解決する. その課題解決へのアプローチとして,プリフェッチするべきコンテンツの有無をリモート・サーバに 問い合わせる回数を少なくすることで,WiFiオフローディングに利用可能な電力量の内, コンテンツのプリフェッチに利用可能な電力量の割合を増加させる.
提案手法の有用性を評価するために,WiFi APに接続した時刻や切断時刻,アプリケーションを利用した時刻など,スマートフォンを用いて収集された トレースを用いたシミュレーションを行った. シミュレーションによる評価の結果,提案手法は,3G/4G回線のみを 利用する場合よりも消費電力量を抑えながら,約5.1\%のデータ・トラフィックを オフロード可能であるこ.