提案システムにおいてユーザは任意の駐車場への車両返却や,残り電力量の少ないEVを乗り換えて移動を継続することが可能である.ユーザが希望目的地や到着時間帯を入力すると,提案システムは希望を満たす巡回経路と目的地における行動(乗換や充電)を含んだスケジュールを算出し提示する(ユーザスケジュール算出部).本研究では,このような環境でユーザの予約受理率最大化を目指す.しかし,任意の駐車場への車両返却を許容しているため,EVの分布が予約受理率を左右する重要な要因となる.提案システムでは予約可能なEVに余裕のある目的地から,EVが不足している目的地へEVの再配置を実行し,EVの分布を修正する(再配置スケジュール算出部).提案システムの有効性を確認するためシミュレータを実装し,各目的地にEVを5台ずつ配置した場合,700人のユーザに対して約80%の予約受理率を達成した.また,配車を実行しない手法と比較して最大約10%の予約受理率向上を確認した.