快適性を損なわなずに省エネ目標を達成するための省エネプラン作成支援インタフェース

大木 浩武 (1151202)


近年,人々の節電に対する関心が高まっている. しかし,一般家庭における電力消費は増加傾向にあり,家庭での省エネ行動が求められている. 電力量前年比20%減などの節電要請に対し,やみくもに節電を行うとユーザにかかる負荷が高く,健康を損なう恐れがある. それを補う形として各家電の電力消費の様子を可視化する「消費電力の見える化」に関する研究やサービスの提供が活発に行われている. しかし,見える化だけでは,過去の情報から試行錯誤を行なって省エネを行う必要があり,ユーザの負担が大きいという問題がある.

本発表ではユーザの試行錯誤による負担を減らすために,過去の情報から未来の消費電力量を予測し,使用パターン(設定出力と使用時間)に対する予測消費電力量を示すことによって,どうしたら目標を達成できるかの計画(省エネプランと呼ぶ)の作成を支援する手法を提案する. 省エネプランの作成を支援するインタフェースとして, (1)現在までの実際に消費した電力量を表示する機能,(2)各家電の今後の使用時間・出力から消費予定電力量を提示する機能,(3)運用中に各家電の出力を変更し省エネプランを変更する機能, (4)最適な省エネプランを発見するための補助機能を持つ Android端末に実装可能なアーキテクチャおよびインタフェースを設計する.

提案手法の有用性の評価として,通常の生活時の80\% に削減した消費電力量を省エネ目標として,見える化システムを導入して省エネ目標を目指す生活と提案手法を導入して省エネ目標を目指す生活を1名の被験者に行ってもらい比較実験とした. 結果,見える化システムでは,省エネ目標を達成できたが快適さが60%下がったのに対し,提案手法では快適さを 省エネ前と同程度に維持したまま省エネ目標を達成できた.