OSSメーリングリストにおいてフィードバックを受けるメッセージの分析

津田 裕司 (1051070)


 近年,多くのソフトウェア開発企業が,オープンソースソフトウェア(OSS)を商用ソフトウェアの一部として利用している.また,多くのOSSプロジェクトでは,ユーザに対してテクニカルサポートを行うためにユーザ用メーリングリストが準備されている.しかし,IT企業は実際にはOSSプロジェクトからテクニカルサポートを得られていないと実感していることがわかっている.
 以上のことから,メーリングリストが十分に機能していないことが示唆される.その原因を以下の3つに分類する.

  ・メッセージを送る人物の特徴
   初めてメーリングリストに送信する場合,読みにくい文章になり,返信されにくいメールを送る可能性がある.
   逆に,送信者がOSSを長く使い,知識がある場合,返信されやすいメールを送る可能性がある.
  ・メッセージを送る時間
   開発者の活動時間外に送ったメッセージは読まれない可能性がある.
  ・メッセージの内容
   下らない質問は読み飛ばされる可能性がある.

 上記の3つの観点が返信率に関係するかどうかを,送信数と返信率から分析する.
 本発表では,分析の結果から3つの観点がどのように返信率に影響するかを報告する.