微生物におけるレアコドン予測法の提案

太田 公平 (1151137)


 レアコドンと呼ばれるタンパク質の翻訳効率を低下させるコドンが報告されている。このレアコドンはタンパク質発現に関わる実験での失敗の原因とされており、タンパク質発現実験前にレアコドン特定を行い対策する必要がある。レアコドンを含むタンパク質は発現量が少なく、レアコドンを特定することが困難である。本研究で各微生物におけるレアコドンを予測するため、RSCUave、CU率そして論理レアコドンを用いたレアコドン予測法を提案した。RSCUaveは各生物のコドンの使用頻度を示し、CU率は各生物内で任意のコドンを使用している割合、論理レアコドンはタンパク質翻訳の仲介体であるtRNAのコドン認識特性を考慮した手法である。それぞれの指標を用いて実験的に報告されている大腸菌のレアコドンを予測した。その結果、レアコドンの選択としてそれぞれ高い正解率を示したがレアコドンとは異なるコドンも示した。この各指数によって選択されたコドンが生物に与える影響を調べるために、タンパク質の翻訳効率を示す指標としてCAI (Codon Adaptation Index)と大腸菌の各コドンにおける増殖率を用いてそれぞれの指標で比較した。これらの結果を基にRSCUave、CU率、論理的レアコドンでレアコドンの特定に最も適した手法を報告する。