未知入力オブザーバを用いたペダリングトルクの推定

武部 雄一郎 (1151125)


電動アシスト自転車に対する効率的なアシスト手法のひとつに周波数整形に基 づくフィードバック制御による方法がある. しかしながらヒトのペダリングには 周波数のゆらぎが存在するため, このようなアシスト手法が効果を発揮する状況 は限定される. これに対処するには, ペダリングトルクを短期的に予測し, フィー ドフォワード制御により適応的にアシストすることが有効であると考えられる. トルクを予測するには筋電位データから関節トルクを計算しなければならないが, 下肢にはヒラメ筋など, 筋電位計測の困難な筋肉が存在するため, 全関節トルクを 既知とすることは困難である. そこで, 未知入力オブザーバを用いて, 計測のでき ない一部の関節トルクを推定することを考える. 本研究ではヒトの下半身を模擬 した骨格モデルに対して未知入力オブザーバを適用し, 関節トルクを推定する方 法を提案し, その有効性を数値シミュレーションによって検証する.