本発表では,上記の問題を解決するため行った実機実験を通したターボブースト及びハイパースレッディングによる動作周波数モデルの作成と作成したモデルを用いてタスクの処理時間を正確に推定することによる両技術の考慮とネットワークコンテンションの考慮を行うマルチコアプロセッサ向けのタスクスケジューリングアルゴリズムを提案を述べる.
提案手法を評価するため,シミュレーションと実機実験を行った. その際に用いた比較手法として,既存のネットワークコンテンションを考慮した手法に本研究で作成した動作周波数モデルを組み込みターボブースト及びハイパースレッディングによる動作周波数の動的変更を考慮しながら各タスクが最短で処理完了できるようスケジュールする手法を2種類用意した. 実験の結果,提案手法は全体の処理時間をシミュレーションで最大 43% ,実機実験では最大で36% 短縮できることを確認した. 加えて,生成した スケジュール結果と実機実験の結果の比較から,処理時間の差が7% 以下であることを確認し,実環境において提案手法によるスケジュールが有効であると判断した.