Information Diffusion Models for Capturing Latent Factors of Real World Phenomena on Social Networks

吉川友也 (1151114)


情報拡散モデルは,ソーシャルネットワーク上を情報がどのように広がるかを数学的に表現するモデルである. このモデルを解析することによって,実際に起きている拡散現象を理解したり,ネットワーク上の将来の流行を予測するモデルの開発できる. 本発表では,私が提案した二種類の情報拡散モデルを紹介する. 一つ目のモデルでは,情報の内容が情報拡散過程に与える影響を表現することを試みる. 具体的には,情報とそれが広がった履歴に対して一つの潜在的なトピックを仮定した確率的生成モデルを構築し,そのモデルのパラメータ推定法を提案する. 実験では,情報のテキストのみを観測値とするモデルと比較して,提案モデルは情報に付けられたカテゴリラベルをよく再現できることを定性的に示す. 二つ目のモデルでは,ネットワーク上の個人が性別や年令といった一般的な属性の他に,自分自身の行動の振る舞いを変化させる潜在的な属性を持つことを仮定する. この仮定の下,情報拡散モデルの一つである独立カスケードモデルのパラメータ推定精度を向上させるモデルの開発を行った. 評価実験では,独立カスケードモデルに対する既存のパラメータ推定法に比べて,提案手法は精度良くパラメータを推定できることを示す. また,学習したモデルを使った影響度シミュレーションでは,他の手法に比べて,提案手法によって計算した影響度が真の影響度と最も近い振る舞いをすることを示す.