これらの問題に対する既存研究では, MACを用いて受信確認メッセージの偽造を防止するとともに, 中継ノードでハッシュやXORによるアグリゲーションを用いて輻輳を抑制している. しかし, これらの手法では受信確認の手順に一部でも不正があった場合, 不正を行ったノードを特定したり, あるノードが正しく受信確認を行ったかどうかを確認するためには, エネルギー消費の大きな検証プロトコルを別途実行する必要がある.
本発表では, 拡散符号を用いて受信確認メッセージを多重化することで, 上記の輻輳の抑制, 中継ノードの不正検出に加えて, 不正ノードの特定が容易な手法を提案する. また, 可能な多重化数, 特定のトポロジを与えた時の通信量, 安全性等を示す. さらに, 通信量や実用上の問題について既存手法との比較を行い, 提案手法の有用性及び課題について述べる.