ソフトウェア品質の確保とテストの効率化を目的として，バグモジュール予測方法が盛んに研究されている．しかし，予測結果を用いたテスト戦略（多数のモジュールに対するテスト工数の配分方法）については，従来，ほとんど研究されていない． 本論文では，複数のテスト戦略を提案するとともに，それらの効果を評価するためのテストのシミュレーションモデルを提案する． シミュレーションモデルは，総テスト工数，テスト戦略，テスト対象のモジュール集合，及び，バグモジュール予測結果を入力とし，発見可能なバグ数を出力とする． ケーススタディとして，2つのOpen Source Soffwareプロジェクト（Eclipse，Mylyn）を対象として，シミュレーションを行った． その結果，テスト工数を”モジュールの予測バグ数$×$log(モジュール規模)”に比例させて割り当てるテスト戦略が最も多くのバグを発見できることがわかった