NAIST-IS-MT1151059: Sunada Takahiro

Javaソフトウェア開発におけるドメインごとの使用ライブラリの分析

砂田 隆浩 (1151059)


今日,極めて数多くのオープンソースライブラリが開発・公開されているために,開発者にとって,有用なライブラリを選択することが難しくなっている.本研究では,the wisdom of crowdsの考えに基づき,Javaソフトウェア開発において多くの開発者が使用しているライブラリが何かを明らかにすることを目的として,多数のオープンソースプロジェクトを対象に,(i)ドメインごとの頻出ライブラリの特定,及び,(ii)相関ルール分析による同時使用ライブラリの特定を行った.(i)では,Javaソフトウェア開発の七つのドメインから50件ずつプロジェクトデータを収集し,各ライブラリの使用率を計測した.(ii)では,使用率の高かった上位50個のライブラリから相関ルールを抽出し,同時使用されるライブラリの特定を試みた.

結果,各ドメイン特有の頻出ライブラリを明らかにするとともに,基本機能では標準の機能を拡張・補完するオープンソースライブラリが、ロギング機能ではcommons-loggingとlog4jがドメインに関わらず使用されるライブラリであることを明らかにした.また,これらの基本ライブラリとロギングライブラリは独立して使用される訳ではなく,同時に使用されることが多いことが相関ルール分析より分かった.加えて,メール機能を備えているソフトウェアは,ロギング機能を使用していることが分かった.