ミーティング時の情報共有を支援する投影型情報提示方法の検討

小澤 拓 (1151031)


情報提示装置としてのプロジェクタは,センサやコンピュータとの連携により,投影型拡張現実感など投影環境に合わせた知的な情報提示を行うことができる. プロジェクタを照明器具のように天井付近から投影するように設置することで,人間の日常的な活動を支える知的なアンビエント照明を実現する技術となることが期待されており,その応用の一つとしてミーティング環境があげられる.ミーティングを行っている場合には,議論を促進したり,理解を補助したりする情報を提供するなど,知的な情報提示によって支援できる機会は多い. しかしながら,投影される情報は人の目に触れることが重要であるにも関わらず,ユーザの位置姿勢を検出して投影位置を制御する研究は少ない. 本研究では,ミーティングを支援するという想定のもと,複数人が共に見ることのできる情報投影位置の算出を,距離画像カメラとの組み合わせによって行う投影型情報提示方法について検討する. 距離画像カメラによって環境中の物体から投影面として適切と考えられる平面を候補として抽出し,さらにユーザの位置及び背の高さを検出することでユーザらに見易い投影位置の推定を行う. 具体的には,机上状態や平面の情報,ユーザ位置などの情報を 処理し,ユーザにとって見やすく,投影に適した平面であるかを 評価する関数を設計する.試作システムを構築し,性能向上を目的 とするユーザスタディを繰り返し行うことで本評価関数の改善を行った. その結果,評価関数に特に必要と考えられる設計指針を3点得た.