距離センサを用いた動作モデルの学習による運動のコーチングシステム

榮門 恒希 (1151022)


キーワード

 距離センサ, 姿勢推定, 動作判定, コーチングシステム

発表梗概

 本研究では,様々な特定の技能的な動作(投球,リハビリなど)に対して,ある一つの定められた正確な動作に近づくようユーザに教示するコーチングシステムを提案する.多くの運動コーチングシステムは専用デバイスの装着をユーザに義務付け,自然な動きを阻害してしまう欠点がある.そこで本研究では非接触センサである距離センサを用いたシステムを提案する.

 本システムは,

  1. 距離画像から姿勢を推定する姿勢推定処理
  2. 姿勢推定処理から得られた推定動作が正確動作とどう違うか評価する動作の判定と修正処理
  3. どのように動きを修正すればより正確動作に近づくかをユーザに提示する教示処理
で構成される.1.では,画像特徴量空間と人体18関節の3次元位置で表される姿勢空間との間の回帰モデルを学習し,姿勢を推定する.2.では,推定姿勢の時系列変化である動作をフレームごとに正確者に近い動作かそれ以外かの2値判定を行い教示すべきフレーム区間を指定する.その教示フレーム区間において,各関節の速度ベクトルを求め,正確動作の速度ベクトルとの差分を計算する.3.では,得られた各関節の速度ベクトルの差分において,重要な関節をユーザに示す.実験の結果,正確動作から大きくかけ離れた非正確動作については,教示の有効性が示された.

 本発表ではシステムの詳細と評価実験,および今後の課題について述べる.