しかしながら,単に投影像を合成しただけでは各投影像の輝度差や色相差によって合成像に違和感が生じる. そこで本研究では,携帯型プロジェクタの投影像合成時の色補正を行うが, 携帯型プロジェクタは投影面との関係が逐次変化するため,実時間処理が必要となる.
本発表では,違和感の原因を携帯型プロジェクタの単色画像投影時の投影像内輝度差,投影面からの各プロジェクタの位置差による輝度差, プロジェクタ間の個体差の大きく三項目に分け,各問題に対する補正手法を発表する. 本手法を用いた結果,投影面に対するプロジェクタの位置姿勢情報を用いて,プロジェクタ毎に単色画像投影時の投影像内の輝度分布が均一化され,プロジェクタ間の位置差に対する輝度差の補正も確認できた. そして,プロジェクタ間に存在する個体差に対して色補正を行い,これらが接合部に生じる違和感の低減に効果があることを確認した.