Levenshtein距離に基づく連鎖アラームの類似性解析

赤塚 祥太 (1151003)


本論文ではプラントアラームシステムの適正化を目的として、Levenshtein距離を用いた連鎖アラーム間の類似度評価法を提案する。Levenshtein距離は、挿入、削除、置換という3つの操作によってある文字列を別の文字列に変形するのに必要な手順の最小回数として定義される。本手法ではまず、EEMUAガイドラインに基づいてプラント運転ログデータ中の発報頻度の高い時間帯に発報したアラームを連鎖アラームとして抽出する。次に、抽出された連鎖アラーム群に対して、Levenshtein距離に基づいた類似度評価指標により、全ての連鎖アラーム間の類似度を算出する。最後に、算出された類似度を基に、類似度の高い連鎖アラーム同士を集約することで、発生パターンの似ている、すなわち同一のマルファンクションによって生じたと考えられる連鎖アラーム同士をグループ化する。提案手法を共沸蒸留プロセスの運転ログデータに適用した結果、連鎖アラーム群間の類似度を正しく判定できることを確認した。