近赤外光分光計測と機能的核磁気共鳴画像法を用いた脳血流動態推定

愛須 亮太 (1151001)


拡散光トモグラフィは, 機能的近赤外分光計測の観測信号から頭部内の脳活動(脳血流変化)を3次元的に再構成することにより, 機能的近赤外分光計測の計測精度, 信頼性を向上するものとして近年注目されている. しかしながら, 非侵襲脳活動計測において真の脳血流変化は未知であり, その精度評価を適切に行うことは難しかった. そこで本研究では, 機能的近赤外分光計測の信号だけでなく, 機能的核磁気共鳴画像法の信号においても生成過程をモデル化し, 両方の観測信号を用いて単一の脳血流変化を推定する手法を開発した. これにより, 二つのモダリティ間をつなぐパラメータが得られ, より高精度なモダリティである機能的核磁気共鳴画像法を用いて適切な精度評価を行うことができる. 本論文では, 計算機実験による提案法の推定精度の検証結果と, 指タッピング課題時において推定された脳血流変化とそのパラメータについてそれぞれ示す.