ロボットハンドを用いた使いやすさ定量評価システムの開発

松本 真 (1051103)


本発表では,人間の指を模したロボットハンドと腱骨格モデルを利用した使いやすさ定量的評価システムについて発表する.製品の設計において,製品の使いやすさは製品の外観,物理的な機能とともに重要な設計項目である.近年では,製品に使いやすさという付加価値をつけ,市場競争力を高めることに関心が集まっている.従来,製品の使いやすさは,アンケートを用いて評価されており,時間的,金銭的コストがかかる,定量的に評価することが難しいといった問題がある.そこで本研究では,人間の指を模したロボットハンドとシミュレーションを併用することで,幅広い製品の評価に対応する使いやすさ評価システムを提案する.

本発表では,提案する使いやすさ評価システムで実際に製品を評価する手順について説明する.製品の使いやすさ評価には,製品操作時の把持情報と腱骨格モデルを利用する.把持情報の取得には,ロボットハンドとシミュレータを併用し,評価対象の性質によって取得方法を決定する.次に,提案する使いやすさ評価システムでの利用を目的として製作した,ロボットハンドの特徴,制御方法について紹介する.製作したロボットハンドは,人間の代わりに評価対象を操作するために,人間の指の寸法,自由度,指先構造を設計コンセプトとして製作した.さらに,製作したロボットハンドを用いた製品の評価実験を紹介する.実験では,実際の製品を製作したロボットハンドで操作し,提案する評価システムで使いやすさの評価を行う.被験者を用いたアンケート調査による評価結果と比較し提案する評価システムの有効性を示す.