3次元関心領域に基づく注視オブジェクトの検出

秋山寛敏 (0951001)


人が関心度の高いところを注視する事を利用し,視線情報から人の意図や関心を推定し,支援する研究が盛んに行われている.また,視線計測装置の小型化に伴い,ユーザの移動に制限を加えない環境中の3次元注視点の推定が可能になっている.しかし,3次元の注視点推定で得られる情報は,単に環境中の座標にすぎないため,真に人の意図や興味を知るための直接の手掛かりには成り得ない.

そこで本研究では,屋内環境中の3次元空間上で,人が見ている物体や領域の検出手法を提案する.具体的には,自然特徴点を利用した Visual SLAM で頭部位置姿勢推定を行う.さらに,検出された自然特徴点に関連付けた3次元関心領域として,オブジェクトのプリミティブや任意の形状をインタラクティブに設定する.これにより,視線ベクトルと 3次元関心領域との交差判定を行い,オブジェクトの注視判定を実現できた.また,評価実験を通して,様々な環境で容易にオブジェクトの注視判定が実現できる事を確認した.