角膜表面反射画像を用いた注視対象推定
山川 智久 (1051120)
近年,頭部装着型の視線計測装置の普及により,人間工学やユーザインタフェースの分野において視線計測技術の応用が注目されている.しかしながら,従来の視線計測装置の構成は最低でも眼球カメラと環境カメラの2つのカメラが必要であり,ユーザへの負担を考慮するとシステムの小型化および軽量化が重要である.また,視線計測装置により推定する情報は,ユーザの注視点であるか ,興味・関心の推定には同時に注視対象も特定する必要がある.そこで,本研究では角膜反射画像を用いた注視点および注視対象の推定手法を提案する.角膜表面反射画像を利用することで,計測装置が眼球カメラのみで構成されることとなり,システムを簡略化することができる.また,3次元の眼球モデルを用いて,角膜表面反射画像から歪が補正された画像へ変換する.そして,変換された画像中の注視点位置を推定し,SIFT特徴量により注視対象を認識する.屋内外環境下における評価実験を通して提案手法の有効性を示す.