1つ目の手法は,スキャンFFの出力にマスク回路を付加し,スキャンシフト時のFF出力の信号遷移を制御することで組合せ回路部分の電力を調節し,回路温度均一化を行う.これにより,テスト時間および故障検出率に影響を与えず回路温度均一化を実現できる.評価実験では,ほとんどの回路に対して回路温度ばらつきを削減できることを示した.
2つ目の手法では,FF出力マスクおよび温度補整パターンを用いて回路温度均一化を行う.この手法は,テスト中に温度補整期間を設け,温度補整パターンを印加することで故障検出率に影響を与えずに回路温度均一化を実現する.評価実験では,すべての回路に対して回路温度ばらつきを削減できることを示した.
3つ目の手法では,1つめの手法と2つめの手法を併用して回路温度均一化を行う.評価実験では,すべての回路に対して回路温度ばらつきを削減できることを示した.
発表では,これら提案した3つの手法の概要および各手法の評価結果について報告する.また,手法の一部の処理に関しては詳細説明を行う.