初期滑り分布計測に基づく把握動作解析
武藤 誠 (1051110)
人間のつまみ動作において,初期滑りと呼ばれる現象は把持力制御戦略に重要
な触覚情報を与えていると考えられている.掌全体を使った把握動作においても
同様に,各接触領域の初期滑り現象は人間の身体的特徴や把持力制御戦略と深く
関わっていることが考えられる.そこで,本発表では把握運動の解析を目指して,
画像情報を用いた把握における初期滑り分布計測手法を提案する.具体的には円
筒形の把握対称物体の内部に全方位ミラーとカメラを配置し,物体持ち上げにお
ける掌画像を取得する.得られた画像から各部位の接触領域を計算し,偏心度と
特徴点追跡手法を用いて初期滑り分布を推定する.提案手法を用いて,重量や円
筒直径を変化させた場合の初期滑り分布を偏心度を用いて解析し,人間の特性を
考慮した考察を行った.実験結果より,初期滑り分布に偏りがあることを確認し,
身体的特徴との関連について考察を行った結果について説明する.