配送過程における計算処理と地理的分散処理を考慮した大規模センサネットワークのためのPub/Subシステムの提案と評価

宮城亮太 (1051108)


近年,技術革新に伴いセンサデータの取得が容易になってきている. 身近なところではスマートフォンなどの移動体通信に各種センサが組み込まれている. また,気象情報の取得に用いられる複合センサなども安価になり普及が進んでいる. これらセンサデータの配送において,Publish/Subscribeメカニズムを利用することで 効率的かつリアルタイムに配送することができる. 環境情報は複数のセンサデータを組み合わせることで, 価値のあるアプリケーションを提案できる可能性がある. 例えば,河川の水位や雨量の情報を組み合わせることでより正確な洪水警報情報を出すことができる. これらの利用を考えた場合,従来の共有基盤で行われていた単純なフィルタリング処理だけでなく, 配送過程における計算処理など複雑な機能が必要となってくる. また,これらの計算処理は特定のノードに対し負荷集中を引き起こす可能性がある.

本研究では配送過程における計算処理と地理的分散処理を考慮した大規模センサネットワークのためのPub/Subシステムを提案する. 提案システムはSubscription情報からフィルタリング, 集約演算などの配送過程における処理を可能にするデータ処理コンポーネントを生成する. また,Subscription の計算処理分割と地理分割で負荷集中を避け, 過負荷時にはSubscriptionの移動処理を行うことで処理の継続を可能にする. 本研究では提案システムを実装し,評価を示す.