多目的慣性ロータによる二輪車の安定化制御の検討
水井 俊文 (1051106)
自転車やバイクといった二輪車は身近な乗り物であるにもかかわらず,
複雑な動特性を持つ, 興味深い研究対象である.
そのため, 二輪車のダイナミクスの解析や, 自律走行を目指した研究は古くから盛んに行われている.
その中でも, ダイナミクス自体の変更によって二輪車の安定化を検討した研究として,
慣性ロータを用いたものがある.
この慣性ロータにはバイアスモーメンタム方式とゼロモーメンタム方式と呼ばれる二種類の使い方があり,
二つの力の違いは, 回転軸方向のみである.
本研究ではこの点に注目し, 慣性ロータの回転軸をフリップさせることによって,
一つの慣性ロータで二通りの使い方を持たせた多目的慣性ロータ付き二輪車を提案し,
二輪車の安定性と操縦性を向上させることを考える.
さらに数値シミュレーションによってその有用性を検証し,
実機および3次元物理シミュレータによって数値シミュレーションの妥当性を検証する.