ローストアとカラムストアの組合せによる消費電力量 を考慮した OLAP 問合せ処理に関する研究
福澤優(1051090)
本研究ではローストアとカラムストアのデータ格納方法をハイブリッドで利用することによって,ビッグデータに対するOLAP処理において,これまで重要とされてきた処理速度だけでなく消費電力量にも考慮した問合せの処理を目指す.
デジタルデータの爆発的な増加から,データベースにおいて経営の意思決定や犯罪などの予防を目的として行われるOLAP処理が広く利用されるようになった.その一方でビッグデータを扱うデータセンターにおいては企業コストや地球温暖化などの地球環境の面から消費電力量への懸念が抱かれており,現在多くのシステムにおいても低消費電力化を目指した取り組みが行われている.これまでのデータベース管理システムの多くはローストアのデータ格納方法によって構築されている.これは電子商取引などのOLTP処理におけるデータの更新処理に対する配慮であるが,OLAP 処理においてはカラムストアのデータ格納が有効であることが言われている.しかしローストアとカラムストアそれぞにおいて有効なクエリ特性が存在することから,ハイブリッド構成によるアプローチに着目した.これまで処理速度中心の改善を目指してきたデータベース管理システムに対して,OLAP 処理に着目し処理速度だけではなく消費電力量の考慮を行ったシス テムを構築し,その有用性を示す.