空気圧人工筋肉を用いたリハビリテーションロボットの調査

野口 卓磨 (1051084)


超高齢社会の中にある我が国では福祉介護現場の介護者や医療現場の作業療法士などの労働力不足が深刻である.この問題を解決する一つの方法として,高齢者の自立を促すリハビリテーションロボットが求められている.これらのロボットは人間に直接接触する作業が多くなるため,高い安全性・柔軟性が要求される.
 本研究では,軽量かつ高出力であり,柔軟であるため人間との接触親和性の高い空気圧人工筋肉に着目し、空気圧人工筋肉を使用したリハビリテーションロボットの技術開発の動向を探る。まず、空気圧人工筋肉の駆動特性や制御性改善の取り組みについて述べる。そして空気圧人工筋肉の利点を生かしたリハビリテーションロボットについての研究動向の調査を行う。現在までに様々なリハビリテーションロボットが研究されてきたが、現場に普及するに至っていない。その原因の一つとして明確な安全基準がなく、非健常者を用いた臨床試験が行われていないことが挙げられる。実用化に向けて、明確な安全基準を開発設計者が作り、リスクとベネフィットを明確にして臨床試験を行う必要がある。