主成分分析を用いた顔面神経麻痺度合いの 40 点法に基づく定量評価
西田 武司 (1051072)
顔面神経麻痺の麻痺特徴量を抽出するための手法を提案する. 世間には顔面神経麻痺と呼ばれる, 顔の表情筋が麻痺することで顔の表情が作れ なくなる病気に苦しむ人が数多く存在する. 顔面神経麻痺の症状の度合いは軽度 な麻痺から完全な麻痺まであるが,いずれの場合も麻痺の度合いに応じて適切な 処置を行えば完治可能であるため, 麻痺の度合いを正しく判断することが重要と なる. この顔面神経麻痺の麻痺度合いを評価する手法として, 40 点法と呼ばれる 手法が提案されている. 40点法は世界的に広く用いられている評価方法であるが, その一方で各項目の評価基準を明確に規定できていないため, スコアが検査者の 主観に大きく影響されるという問題がある. この問題が原因となり, 適切な処置 を受ければ完治するはずであったにもかかわらず, 治療が遅れることで障害が残ることが問題とされている. そこで本論文では, 顔面神経麻痺顔画像データベー スを用い, 統計的手法に基づく, 画顔画像からの顔面神経麻痺度合いの定量評価手 法を提案している. この手法は専門医の 40 点法による評価を基にして, 麻痺の度 合いを定量評価する. 本発表では, 提案手法により推定した麻痺度合と専門医に よる麻痺スコアの相関について示す.