IBRを用いたテレプレゼンスのための提示映像評価に基づく画像撮影手法

田中佳樹(1051069)


本研究では,Image-Based Rendering(IBR)によるテレプレゼンスのための,提示映像評価に基づく遠隔制御ロボットを用いた画像撮影手法を提案する. ユーザに没入感の高い遠隔地の情景を提示するテレプレゼンスにおいて,遠隔地の情景を臨場感豊かに提示するために,高い写実性を表現可能なIBRが用いられる場合が多い. しかし,IBRにおいて広範囲で滑らかな視点移動を実現するには,あらゆる地点・方向で画像を記録する必要があるため,撮影コストと保持データ量が膨大になるという2つの問題が生じる. 従来手法では2つの問題は別々に取り扱われていたが,本研究では周囲の環境に応じた撮影地点の設定を撮影中に行うことにより,これら2つの問題を同時に解決する. 提案手法では,追加撮影が推奨される地点や保持データの削減が可能な地点を撮影推奨度マップとして可視化することで,効率的な撮影を可能とする. 実験では,多地点で撮影した画像群を切り替えて映像提示する手法に対して,推奨度に撮影画像間の相違度を用いる手法を適用し,撮影コストと保持データ量の削減に対する推奨度マップの有効性を検証する. %また,保持データの削減量と提示映像品質に関して考察を行う.