しかし,現時点での誤り検出・訂正の主な対象は冠詞や前置詞であり,同様に需要が高いと思われる時制誤りについてはこれまであまり研究がなされていない.
その一因として,時制の決定は対象文外の情報(大域的な文脈)に大きく依存し,時制の誤り検出と訂正を非常に困難なタスクにしていることが挙げられる.
そこで,本論文では時制誤り検出を文章中に現れる各動詞句に対して正しい時制ラベルを振る系列ラベリング問題と捉え,大域的な文脈情報を利用した時制の誤り検出・訂正を行った.