ソースコードの読解方法とレビューアの経験が欠陥検出の効果と効率に与える影響の分析

田口 雅裕 (1051062)


本発表では保守,派生開発で実施されるソースコードレビューにおいて,レビューアの経験 や読解方法がレビューアの理解度とレビュー時間にどのような影響について述べる. 本研究で実施した実験では,被験者にペイントアプリケーションのVersion1のソースコード, 4件の変更仕様,各変更仕様に対応する変更後のソースコードをレビューしてもらった.被験 者はレビュー対象の閲覧方法として,紙(印刷したソースコード)と計算機画面を選ぶことがで きる.また,各変更仕様のレビュー時間,変更後のソースコードが変更仕様を実現するものに なっているかどうかとその判断理由を回答してもらい,個々の判断理由から被験者の理解度を 3段階に分類した.読解方法を,Version1の読解方針,対象ソースコードの閲覧方法とし,読解 方法と経験がレビュー時間と理解度に与える影響を調べたところ,豊富な経験によりレビュー 時間が短くなること,変更にあわせて読解方法を選択することにより理解度が高くなることがわ かった.