切り替え条件を含んだ繰り返し制御系の安定解析

高橋 健太郎 (1051061)


繰返し制御は周期的な目標値への追従を達成する制御手法として知られている.しかし,周期動作の目標値が距離や角度といった状態量に依存して決まっている場合には,目標値を時間関数で与えることによって不都合が生じ得る.本論文では,車両システムを例に挙げてその問題点を示し,状態のリセット動作を含むむだ時間長を可変にした修正型繰り返し制御によって,この問題に対処する.このような制御系に対しては通常の繰り返し制御の安定解析を用いることができない.そこで本研究では繰り返し制御システムの拡大系を遅れ型むだ時間の状態方程式で表現し,さらに先行研究である,切り替えを含む受動歩行システムに対する遅延フィードバック制御の安定解析法を援用することで軌道の局所安定性解析をおこなう.