パンチルトプロジェクタを用いた発表支援
白井 将之 (1051055)
近年ミーティングやプレゼンテーションの発表時に,発表者や聴講する参加者同士の意見交換などの積極的なインタラクションを支援するシステムが開発されている.
このようなシステムは個々のPCを使用したり,表示用の大型ディスプレイなどを使用する場合が多い.そのため操作場所が限定されてしまい,任意の位置でインタラクションを行えないという問題がある.そこで本論文では回転角を持ち,そのパラメータを変更することで投影位置を変更できるパンチルトプロジェクタを用いる.パンチルトプロジェクタを用いて任意の平面で発表支援システムを使用することを目標とする.投影位置を取得するために,赤外線で座標情報を取得できるデバイスを使用し,パンチルトプロジェクタの投影位置の決定と,投影画像に対する操作を行う.本論文ではまず,パンチルトプロジェクタの幾何学的キャリブレーション手法を提案する.そして投影精度の評価を行った.その結果,5[mm]程度の投影精度を実現した.これは,1[cm]×1[cm]以下の非常に小さい範囲の選択対象でない限り,問題なく選択できる精度であることを確認した.その後提案手法の精度でパンチルトプロジェクタを発表支援に利用するために必要な操作の検討を行った.