任意の動作の属性を変化させるスタイル変換フィルタ

佐藤 志保理 (1051050)


近年,映画やゲームなどの3次元アニメーションやロボットの動作生成にモーションキャプチャシステムが広く利用されている. しかし,個性を表現しようとすると,動作の種類ごとに性別や年齢などの多様な属性(スタイル)を持った動作が必要となる. したがって,1つの動作サンプルから多様な動作を生成できれば有用である.

本研究では,属性の違いから生じる動作の差を直接モデル化することで動作を多様化するスタイル変換フィルタを提案する. 具体的には,対象となる属性の動作への差を出力するガウス過程回帰モデルを学習する. 任意の入力動作の各ポーズに対してモデル化した属性の動作への差を推定し,入力動作に加算することで属性の変換が可能となる. 実験では,性別,年齢,感情の異なる動作を用いて,各属性においてスタイル変換フィルタを学習した. このフィルタを用いて,歩行,走行,跳躍などの動作に適用したところ,動作が多様化したことを確認した. さらに,実験結果に対してアンケート調査を実施した結果,入力動作を指定した属性方向に変換できていることが分かった.