照明点灯パターンの切り替えによる高精度な屋内位置推定手法
坂本一樹 (1051047)
屋内で位置情報を含むユーザの細かな行動を記録・解析し,ユーザの行動を予測できれば,省エネを含む様々なアプリケーションへの適用が期待できる.本研究では,上記で述べた比較的高精度な位置精度を必要とするサービスでの利用を想定し,明るさの違いに着目した照度センサを使った0.5m程度の精度の屋内位置推定手法を提案する.照度を用いた位置推定を行う上で,照明装置の設置位置の規則性により部屋の中で類似の照度を持つエリアが複数発生することが課題となる.提案手法では,各照明点灯パターンでの各地点の照度を予め計測しておく労力を軽減するため,各照明点灯パターンに対して各地点の照度を算出するモデルを実測値に基づき構築し,各地点の明るさの分布(照度マップ)を求める.提案アルゴリズムでは,センサにより取得した照度を照度マップと比較し,エリアを絞り込むが,絞り込んだエリア(存在可能エリア)が大きければ推定誤差も大きくなる.そこで,存在可能エリアを最も絞り込めるような照明点灯パターンを選択し切り替える.これを目標の精度が得られるまで繰り返すことで,最小切り替え回数で,ユーザの位置を推定する.評価実験として,照明装置が4箇所に設置された部屋で実験を行い,位置推定精度および切り替え回数の評価を行った.その結果,照明点灯パターンを平均約2回に切り替えるだけで,平均約0.44mの誤差で,ユーザの位置を推定することができた.