データストリームマネジメントシステムにおける適応的映像ストリーム分割手法の提案と評価
神田 景太 (1051035)
近年, 防災や防犯用途において異常事象の検知を目的として, 多地点に監視カメラを設置する事例が増えている.
現在の監視システムでは, 多数存在する映像ストリームの中から異常事象を検知するために人による目視か専用的なハードウェアから構成するシステムに頼っている.
しかし, いずれの場合も構築・運用コストが高く, また監視環境の変化に対して脆弱であるという問題点があった.
この問題を解決するために, データベースストリームマネジメントシステム(DSMS)とよばれる汎用的なマシンから構成される
リアルタイムのイベント検知システムを用いた監視システムを構築するための研究が行われている.
従来研究では, 高品質な映像ストリームを扱うことを想定しておらず, 単一ノードで映像ストリーム処理を行うので,
処理負荷の増大によりデータロスが発生し, 検知精度が低下する問題があった.
本論文では, 各処理ノードの性能に応じて映像ストリーム処理を分散することで全体の処理性能を向上させる手法を提案し,
ノードを追加する度に処理性能がスケールアップすることを検証する.
実験の結果, 本提案手法によって高品質映像ストリームに対してデータを破棄することなくリアルタイムでの画像処理が可能なことを確認した.