局所重み付き回帰と2自由度構造による二輪移動ロボットの軌道追従制御

片岡 荘太 (1051028)


制御方策決定のためには, 制御対象の動特性を数学モデルで表す必要がある. モデリングの手法として, まずシステムを動作させ, そこから得られる情報を用いる同定法が知られている. 一般には, 単一のモデルを構成するが, システムの動特性が全ての動作点で同じとは限らないので, それでは限界がある. そこで, 現在の動作点周りで蓄積したデータに大きな重み付けを行い, 局所モデルをリアルタイム構築する方法が提案された. これは, 局所重み付き回帰法(LWR: Locally Weighted Regression)と呼ばれ, 狭い動作領域に対して線形回帰を行っているため, 大域的モデリングよりも精度の向上が期待できる. 一方, フィードフォワード(FF)制御器の学習に関する研究が近年活発に行われている. ここでは, FF制御器を適応的に構成し, 追従性能の向上を図っている.
本研究ではこれにLWRを適用し, 非線形システムの適応制御を行う. その為に, FEL等で提案されているプレフィルタの考え方を用いる. そして, 提案手法の有効性を二輪移動ロボットの軌道追従制御によって検証を行った.