まず第1に,人体のパーツ領域をより正しく抽出するためのパーツ・背景領域分割法 を提案する.この方法では各パーツの候補領域において,各パーツ 形状の事前知識を参照したパーツ領域と背景領域を2値化をすること によって,人体輪郭だけを領域特徴量として抽出し,この領域特徴量に 基づいて各パーツとの類似度を評価する.
第2に,領域特徴量と従来の濃度勾配ベースの 特徴量とを統合することにより,両特徴量を相補的に利用した パーツ類似度の評価法を提案する.
実験として,公開画像データベース(学習用100枚,テスト用205枚) に対して,このパーツ類似度に基づいた姿勢推定を行った. この結果として,胴体,頭部,右大腿以外のパーツについて,従来手法と比較して 最大約5¥%の精度の向上がみられたことを推定結果の画像と共に示す.