本研究で対象にする同期式回路から変換されたQDI回路は,ラッチ,組合せ論理,および完了検出器から構成されている. これらの構成要素には,状態を持つ回路素子であるC素子が用いられており, さらに回路中にハンドシェイクのためのフィードバックが存在するため,テスト生成が困難である.
発表では,テスト生成を困難にしている問題を分類してそれぞれに対する解決案を述べる. 提案手法では,変換元の同期式回路に対して既存のテスト生成ツールで求めたテスト集合を QDI回路に応用するとともにテスト容易化設計法を提案し,テスト生成高速化および故障検出率の向上を図った. ISCAS'85ベンチマーク回路を用いた評価実験では,提案手法により99.72%以上の故障検出率を達成でき, テスト容易化設計による回路面積のオーバヘッドは3.97%以下となった.